長期で儲ける!建築士の視点で学ぶ中古物件の見極め方

一級建築士が不動産投資するときはどこを見る?

「中古アパート投資に挑戦したいけど、何を基準に選べばいいかわからない…。」 
「高利回りに惹かれて買ったのに、修繕費や耐震問題で赤字になってしまった…。」

 そんな失敗、実は「物件選びの時点」でほとんど防げるって知っていましたか?
建物の構造や修繕履歴、維持管理コストを事前に見極めれば、大きなリスクを回避できます。
 著者の戸田匠さんは一級建築士・宅建士などの資格を持ち、建築実務に携わりながら不動産投資サイトでコラムも執筆してきました。

 この記事では『一級建築士の大家が教える 儲かるアパートの選び方』の内容をもとに、物件購入時のチェックポイントと修繕費の実態について解説します。
読むことで、初心者でも失敗を避け、長期的に安定した収益を得られる不動産投資の知識が身につきます。

 この記事の結論は、『表面的な利回りではなく、建物のリスクと修繕コストを見極めることが成功への最重要ポイント』ということです。

不動産投資サイト「楽待」でもコラムを書いている大家さん

 本書の著者・戸田匠さんは、一級建築士をはじめ建築施工管理技士、管工事施工管理技士、宅地建物取引士など、不動産投資に直結する国家資格を数多く保有しています。

 建築の専門知識に基づきサラリーマンとして実務経験を積み、不動産投資サイト「楽待」でもコラムを執筆。
 現場で培った建築の視点と、投資家としての利益追求の両面から語られる内容は、机上の空論ではなく実践的で信頼性が高いといえます。

ダメな物件を避けるために、修繕コストを学ぼう!

 アパート経営で見落とされがちなのが「修繕コスト」です。購入時に利回りが高く見えても、修繕費を正しく見込んでいなければ、数年後に大赤字へ転落しかねません。
 本書では、代表的な修繕項目とその費用目安が具体的に示されており、投資家にとって非常に実務的な指標となります。

外装工事と屋上防水

 まず外装工事は、規模の小さい物件でも数百万円、大きなRC物件であれば1000万円を超えることも珍しくありません。その周期はおよそ15年ごととされ、長期保有する投資家にとって必ず発生する費用といえます。

 さらにRC物件特有の修繕として屋上防水があります。目安は10年に1度で、費用は1㎡あたり5000円から。アスファルト防水など高額な工法であれば20年ほどの寿命を持つため、長期的に見れば割安となるケースもあります。

足場と鉄部塗装

 大規模修繕に欠かせないのが足場です。単価は700〜1000円/㎡で、建物の外周が長辺20m・短辺8m・高さ10mとした場合、両面施工で約39万円のコストがかかります。

 また鉄部の塗装も軽視できません。下地処理を行ったうえで二度塗りを施す場合、1㎡あたり4500円が目安となり、外階段や手すりなどの鉄部が多い物件ほど費用はかさんでいきます。

水回り設備の更新

 入居者の生活満足度に直結するのが水回り設備です。
単身者向けのキッチンは6万円から、ファミリータイプでは12万円以上を想定すべきです。
洗面化粧台は単身用で5万円、ファミリー向けで6.5万円ほど。

 これらは築年数が古い物件では必ず更新が必要になり、空室対策の観点からも避けて通れません。

内装の修繕

 クロスの張替えは1㎡あたり800〜1200円。
クッションフロアは3000〜4500円/㎡とやや高めです。
 和室がある物件では畳の修繕も必要で、裏返しなら2000円、表替えで5000円、新調となれば1万円とコストが増します。

 入居者の入れ替えごとに原状回復費用として計上されるため、長期的に見ると膨大な額になります。

解体費用の現実

 最終的に物件を取り壊す際にも費用は発生します。
木造2階建てなら7500円/㎡、RC造2階建てで9000円/㎡、さらに高層RC造であれば15000円/㎡、SRC造では25000円/㎡にのぼります。
 築古物件を安く購入しても、出口戦略として解体・更地化を視野に入れておかなければ「出口で大損」という事態にもなりかねません。

時期によるコスト変動

 著者は「修繕の発注時期」にも注意を促しています。
年明けから年度末にかけては繁忙期となり、費用が割高になったり、施工が雑になったりするリスクがあります。
 費用だけでなく施工品質にも直結するため、時期をずらして計画することも戦略のひとつです。

まとめ

 修繕費用は「見えない利回り圧迫要因」です。
外装や防水といった大規模修繕から、内装や水回りといった原状回復、そして将来的な解体費用に至るまで、必ず必要となるコストです。
 投資判断をする際には「購入価格+修繕費用」を含めた総合的なシミュレーションを行うことが欠かせません。

 結論として、著者はこう強調しています。
物件の選び方で成功の大半が決まる。
そして、その判断は修繕費用を正しく織り込めるかどうかにかかっている。

 皆さんも建築士の目線をいかして、長期で儲かる不動産を見つけて理想の豊かな生活を目指していきましょう!

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